大豆イソフラボン
出典: biena Wiki
・大豆イソフラボンは女性ホルモン様作用をもつ。
・LDL(悪玉)コレステロールを低下させる効果がある。
・骨粗鬆症の予防と改善にも効果が示されている。
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【成分について】
大豆には、女性ホルモン様の作用をもつ大豆イソフラボン類が含まれており、更年期障害の症状や、閉経後に生じる生活習慣病の予防に効果が期待されている。
【期待される効能】
更年期障害に伴う症状の予防と改善。コレステロール低下作用。骨粗鬆症の予防と改善。抗酸化作用や抗ガン作用。
【作用メカニズム】
大豆には、ダイジン、ゲニスチン、グリシチンといったイソフラボン配糖体と、それらのアグリコンであるダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインなどのイソフラボンが含まれている。
なお、配糖体とは、糖の一定部分の水酸基(-OH)と糖でない分子(アグリコン)が脱水縮合(H2Oが抜けて結合)した構造を有する化合物の総称である。アグリコンとは、配糖体の非糖質部分をさす。
大豆イソフラボンは、女性ホルモンの受容体である体内のエストロゲン受容体に結合することで効果を示す。
なお、受容体とは、細胞に存在し、ホルモンなど生理活性物質を認識して、その作用を伝えるタンパク質である。エストロゲン受容体(ER)には、α(ERα)とβ(ERβ)の2つのタイプがあり、イソフラボンは、ERαよりもERβに対して高い親和性(結合のしやすさ)を示す。
大豆イソフラボンには、弱いエストロゲン作用および弱い抗エストロゲン作用の両方があるという。この相反する作用は、ERに対する親和性が、大豆イソフラボンと内在性エストロゲンとで異なっていることによる。
一般に、過剰のエストロゲンを原因とする疾患では、イソフラボンがERに結合して抑制的に作用するため、症状の改善が期待できる。逆に、更年期障害や閉経後の骨粗鬆症などエストロゲンの低下による病態では、イソフラボンがERに結合して弱いエストロゲン作用を示すことによって、効果が得られる。
これが、サプリメントのイソフラボンが「女性ホルモンが過剰のときにはその働きを抑制し、逆に女性ホルモンが少ないときにはその代わりにホルモンとして働く」と説明されるしくみである。
その他、イソフラボンには、抗酸化作用や抗動脈硬化作用、抗ガン作用、コレステロール低下作用、骨粗鬆症予防効果などがある。
【科学的根拠】
疫学調査では、大豆イソフラボンの摂取が多いと、更年期障害に伴うほてりが軽減すると報告されている。ほてりに関する効果を検証した3つの臨床試験でも、イソフラボン投与群のほうが、プラセボ(偽薬)群よりも効果があったという。
大豆イソフラボンの1つ、ゲニステインは、強い抗酸化活性をもっており、体内で発生した活性酸素を中和し、過酸化脂質の発生を抑制する。動物実験では、ゲニステインがSOD活性を上げることも示された。SODとは、体内に存在する抗酸化作用をもつ酵素である。
欧米に比べて大豆の消費量が多いアジア諸国の女性のほうが、乳ガンの罹患率が低いという調査から、大豆イソフラボンには乳ガンの予防効果があると考えられる。
分子レベルの研究では、ゲニステインによる抗ガン作用について、いつくかのメカニズムが示されている。具体的には、ガン細胞のアポトーシス(細胞死)の誘導や、ガン細胞の栄養供給に必要な血管新生の抑制などである。
大豆イソフラボンは、その抗酸化作用による過酸化脂質の発生の抑制や、LDL(悪玉)コレステロールの酸化抑制効果のため、動脈硬化が予防できる。
また、大豆タンパクや大豆イソフラボン、大豆の食物繊維などが共同して働くことでも、コレステロールを下げる効果がある。
これまでに報告された38の臨床試験をまとめた研究によると、1日平均47gの大豆タンパク質を摂取することで、総コレステロールが9.3%、LDLコレステロールが12.9%低下するという。
骨粗鬆症への効果も、いくつかの研究により示されてきた。たとえば、66人の閉経後の女性を対象にして、90mgあるいは56mgのイソフラボンを6カ月間投与した研究では、90mg摂取したグループのほうが、骨のミネラル密度が増加した。
【摂取方法】
1日あたり50mg以上の摂取で効果が認められる。これは、豆腐なら100g、納豆なら50~60gに含まれる量と同じである。食品としての大豆製品からの摂取もあるため、サプリメントとして大豆イソフラボンを摂取する場合は、食事内容によって増減できる。
生活習慣病の予防や改善を目的とする場合、短期間では効果が期待できないので、継続して利用する。
【注意事項】
通常の食材に由来する成分であり、問題となる健康被害や副作用は知られていない。ただし、エストロゲン様作用をもつサプリメントと併用する際には、症状の変化に注意し、異常が認められたら医師に相談する。さらに、(婦人科系疾患の)医薬品(たとえばホルモン剤や抗ガン剤)を服用している場合には、まず医師に相談する。
なお、大豆アレルギーのある人は、サプリメントにもアレルギーを起こす成分が入っている可能性があるので、念のため、大豆イソフラボンの使用は避ける。
また、妊娠中や授乳中は、ホルモンバランスに影響を与える可能性があるので、大豆イソフラボンをサプリメントとして摂ることは念のために避ける。ただし、食品としての大豆製品は、妊娠中でも授乳中でも問題はない。
前立腺ガンと診断され治療を受けている男性では、大豆イソフラボンを使用する前に主治医に相談する。これまでの研究によると、大豆イソフラボンは前立腺ガンに対する予防効果や改善効果があるが、自己判断で摂取するのは避ける。
乳ガン、特にエストロゲン受容体依存性乳ガンと診断されている場合も同様である。イソフラボンは、内在性エストロゲンの作用を弱めることによって、乳ガンを予防したり抑制したりする効果が期待できる。しかし、乳ガンと診断されている場合は、十分な経過観察が必要であり、自己判断ではなく、主治医と相談の上、利用する。

